2021年、令和3年2月のアパレル経営環境

マスクをする女性

2月も中旬となりますが多くの都道府県で緊急事態宣言が延長となりアパレルの経営環境は先月より大きく変わっていないようであります。

また地域によっては雪害被害によりコロナ不況の影響よりも深刻な影響を受けているアパレル企業様もおられます。

また、セール時期の在庫消化が進まず資金的にも厳しい状況となるアパレル企業様もおられるかと予想しています。

こうした経営環境ですので残念ながら倒産というアパレル企業も出てくるかと予想しています。

アパレル業界の2極化

しかしながら一方で、昨年12月、本年1月において、昨対150%の実績をたたき出したメンズショップ店、昨対130%を超えているライフスタイルショップ店といった好調な店舗や会社も当社のクライアント中に存在するのも事実であります。

またそうした事例は決して珍しくありません。

こうした傾向が昨年から確認されていましたので、2020年10月のブログにおいてアパレル業界における「二極化」をテーマに執筆させて頂きました。

詳しくはこちらをご覧ください。

コロナ不況 アパレル経営勝ち組、負け組の二極化

また、この見解を裏付けするアンケート結果が1月7日の繊研新聞に掲載されていました。

新聞記事

2021年 1月7日 繊研新聞より引用

その内容は、2020年の販売結果が、伸びたが26.3%、横ばいが13.1%、落ちたが60.5%というものであります。

この数値結果は、当社の数値的な感覚とも同じで、2:8 もしくは 3:7位の割合で勝ち組と負け組に二極化しているように見えます。

そこで今回は、アパレル業界が二極化する中で、コロナ不況の影響を受け経営自体が「重篤化」しやすいアパレル企業と、影響を受けにくいアパレル企業の特徴について特集させて頂きます。

新型コロナウィルスという感染症の特徴

マスクをして出社する女性

さて、その前にアパレル経営から一歩離れて、新型コロナウィルスという感染症の特徴についてご確認したいと思います。

当社は感染症の専門家ではありませんが、一般的には次のことが言われています。

すなわち

①基礎体力のない方は感染すると重篤化しやすい

②基礎疾患のある方は感染すると重篤化しやすい

この点、皆さまもご存知かと思います。

高齢などにより、基礎体力が落ちてくると、感染した際の十分な抵抗力(免疫)が得られず、結果として重篤化しやすいと言われています。

またもともと心臓病、糖尿病などの基礎疾患のある方も、重篤化しやすいと言われています。

これは血管と血液循環が影響していると言われています。

逆に基礎体力の高い若者や、基礎疾患のない健康な方は感染しても重篤化しにくいと言われています。

なぜこうしたお話をするかと言いますと、実はアパレル経営でも、その他の業種でも全く同じことが言えるからであります。

つまり

①経営体力のないアパレル企業は新型コロナ不況で重篤化しやすい

②基礎疾患のあるアパレル企業は新型コロナの不況で重篤化しやすい

とうことであります。

一般的にはEC販売をしているから販売が伸びた、EC販売をしていないから伸びていないといったように言われています。

先ほどの繊研新聞の記事でもそのようにコメントされています。

しかし、そこは表面的なところで本質的な要因ではないと考えます。

事実、先ほどの事例のクライアント様の場合、EC販売は殆ど行っていません。

当社では、好調なアパレル企業、不調なアパレル企業を含めて企業の健康診断とも言えるデューデリジェンス業務を行っています。

好調なアパレル企業や、新規に相談を受ける業績不調なアパレル企業様の状況を細かく見ていくと、①②のことが言えるわけであります。

デューデリジェンス業務についてはこちらをご確認ください。

デューデリジェンスのご紹介

それでは次に、この①②についてもう少し細かく見ていきたいと思います。

①経営体力がないアパレル企業は新型コロナ不況で重篤化しやすい

アパレル企業経営において経営体力とは単に収益力や財務構造だけを言うのではありません。

経営戦略の妥当性や、経営管理体制、組織力、人材力なども含まれます。

経営体力と一言でいっても様々な要素があるわけでありますが、ここでは一番解りやすい収益力や財務構造を例にとって話を進めたいと思います。

例えば、コロナ不況以前より、収益力が高く好調なアパレル企業と、収益力が低く損益分岐すれすれである業績不振なアパレル企業を比較すると解りやすいと思います。

簡略化していますが、次のように数値で表しています。

好調、不調企業の比較

上記の表は、売上原価60%(粗利率40%)、販売管理費40百万円を前提として、売上が好調なアパレル企業と不振なアパレル企業を比較したものです。

好調企業はもともとの営業利益が12百万円あるのに対して、不振企業は損益分岐すれすれで営業利益が0としています。

こうした条件において、外出自粛や、消費不振により売上が15%(昨対85%)減少となった場合はどうなるでしょうか。

好調なアパレル企業では12百万円の営業利益が4.2百万円に減少しました。

不振なアパレル企業では損益分岐を割り6百万円の営業損失が発生しています。

そしてこのことによる財務上の影響としては、好調なアパレル企業の場合は「利益の減少」のみです。

おそらく従業員への賞与が削減されますが、CF的にも純資産的にもさほど影響は受けません。

対して不振なアパレル企業の場合はどうでしょうか。

6百万円の「損失拡大」となり、その分の現預金が減り「CFの悪化」に繋がり資金繰りが窮迫します。

また「純資産の減少」にも繋がり債務超過にもなりかねません。

そうすると銀行融資やM&Aの売却価格などにも影響していきます。最悪の場合、倒産にも繋がる可能性もあります。

単純化した例でありますが、このように数値から見ても、もともとの経営体力がないアパレル企業ほど経営的に深刻な影響を受け重篤化しやすいわけであります。

②基礎疾患のあるアパレル企業はコロナ不況で重篤化しやすい

ここでいうアパレル企業の基礎疾患とは経営要素における問題や課題です。

人間の体機能と同じようにアパレルビジネスを行ううえで経営的、実務的な基礎疾患(課題)があるのかどうか、あるならどの程度なのかが問題となります。

そして、その経営要素とは、経営レベルの要素と実務レベルの要素に分解されます。

経営上レベルで重要な4つの要素として

「経営戦略」

「組織・経営管理」

「人事制度・教育」

「財務構造」

の4つをあげており「経営力4つの要素」としています。

また実務上の重要要素として例えば小売業では

「ショップコンセプト」

「内装、外装」

「MD編集力」

「VMD」

「接客力」

「販売促進力」

「店舗運営力」

の7つをあげています。

メーカーや商社の場合は別途定義しています。

図式化すると次のようになります。

経営の要素分解

当社ではこれらの経営要素の強さがアパレル経営における業績を左右していると判断しております。

実際にデューデリジェンスを実施していきますと、この内容の強さと業績には明らかな相関関係があります。

そしてこれらの経営要素において基礎疾患(課題)が多いいとコロナ不況の影響を強くうけるようになります。

つまり経営的に重篤化しやすいということになります。

逆にこれらの要素が強いと、コロナ不況の影響を受けにくくなります。

先ほどの昨対業績150%、130%のアパレル店舗、ライフスタイルショップはここ数年間、この経営要素を徹底的に鍛えて強くなってきました。

それ故、こうした業績に繋がっているわけであります。

それではもう一歩踏み込んでここのプロセスを説明したいと思います。

経営力、店舗力が、不況免疫を高めるプロセス

経営環境

なぜ、この経営要素が弱いとコロナ不況の影響を受けやすく、強いと受けにくいのでしょうか。それは現在の消費市場の特徴にあります。

次のところはコロナ不況下で明らかにいえる消費者の傾向です。

・外出の機会の減少

・休業や残業の減少による所得の減少

・ファッション消費の背景にある各種イベントの減少

このように消費自体が減少しているのは皆さまもご存知の通り自明のことであります。

こうした中で消費者はどのような行動をするのでしょうか。

おそらく限られた予算と時間で、よりショッピングを楽しもうとするはずです。

そうすると限られた時間で、より心地よい時間を過ごせる空間、スタッフのいる店舗に客足が集中することになります。

またより満足感の得られるショッピングが出来る店舗に出向くはずであります。

逆に、これまでついでに寄っていた店舗や、どこにでもあるような店舗には足を運ばなくなるでしょう。

つまり、コロナ不況で消費が厳選されていくわけであります。

そしてそこで選ばれるブランド、店舗かどうかは、先ほどの経営要素の強さに決まるわけであります。

それ故、この経営要素の強さは業績と密接に関連し二極化現象が起こるわけであります。

図式化すると次のようになります。

経営強化のサイクル

路面販売かEC販売かといった違いは単に売り方の違いで表面的なところでしかありません。

ECでもリアル販売でも強いブランドや店舗は強いですし、弱いところは弱いわけであります。

アパレル経営の今後について

コンサルティング

コロナ不況で苦しんでいるアパレル企業様には「泣きっ面に蜂」のようで大変酷な内容の見解でありますが、これが現実であります。

重要なのはコロナ不況だからでどうするではなく、不況に打ち勝つ強い経営体力をつけることであると考えます。

そのためにはまず、今会社の状態がどうなっているのかを見ていくことが重要です。

医療と同じで、健康診断によりどこに基礎疾患(課題)があるのかを診断し、その課題を治療していかなければ免疫力の高い体は作れません。

そのためにまず企業の健康診断としてのデューデリジェンスをお勧めしております。

当社はアパレル・ファッションビジネス経営を強くすることで、「ファッションが楽しい社会を創る」ことを事業目的としています。

今回のブログが貴社のアパレル・ファッションビジネス経営にお役にたてれば光栄です。

セミナー再開しました(動画セミナー)

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